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居抜きオフィス移転のメリット・デメリット

なぜ今、居抜きオフィスが選ばれているのか
ここ数年、オフィス移転のご相談を受ける中で明らかに変わったのが、「居抜きで探せないか」という問い合わせの多さです。以前は一部の選択肢という扱いでしたが、100坪を超える大型移転でも最初の候補に挙がるようになりました。
背景には二つの変化があります。一つは、都心中心部の空室率が2%台まで下がり、条件に合う物件そのものが見つかりにくくなったこと。もう一つは、内装工事費の高騰です。建設物価調査会が公表するオフィスビルの工事原価指数は過去最高水準で推移しており、内装工事費の坪単価は30万円以上が相場になっています。100坪規模なら内装だけで3,000万円を超える計算です。
日本経済新聞の報道によれば、東京都心における居抜きオフィスの登録物件数は2025年1〜9月で1,726件と、2018年通年の約20倍に達しました。退去側も、内装を残したまま次のテナントに引き継ぐケースを積極的に選ぶようになっています。借りる側と貸す側、双方の事情が重なった結果、居抜きは一過性の流行ではなく、移転手段のひとつとして定着した段階に入っています。
居抜きオフィス移転で得られる具体的なメリット
居抜きオフィスの価値は、コストと時間にはっきり表れます。
一つ目は、初期費用の圧縮です。内装工事と什器購入を最小限に抑えられ、数百万円から数千万円の差が出ます。先日テイクオフィスで仲介した都内IT企業様(約120坪)の事例では、通常であれば4,000万円前後を見込んでいた内装・什器費用が、前テナントの会議室ブース、デスク、配線設備をそのまま引き継いだことで1,200万円程度に収まりました。浮いた約2,800万円は、エントランスの刷新と採用ブランディング用のラウンジ新設に振り向けています。
二つ目は、入居までのスピードです。通常の移転は設計から施工完了まで3〜4か月を要しますが、居抜きなら最短1か月程度で稼働できます。人員増で執務スペースが逼迫していたある商社様(約180坪)の移転では、契約から実稼働まで5週間で完了しました。事業成長に合わせて機敏に動きたい企業にとって、この時間差は無視できません。
三つ目は、環境負荷の低減です。まだ使える什器や内装を廃棄せず次のテナントに引き継ぐことで、廃材処分と原状回復工事の負担がどちらも減ります。自社のサステナビリティ方針とも整合させやすく、社内外への説明もしやすい側面があります。
ただし、これらのメリットは「条件の合う物件に巡り合えた場合」に限って得られるものです。居抜き物件は出てくるタイミングもエリアも限られ、常に市場の情報を追っていないと出会いにくいのが実情です。
見落としやすい、居抜き移転の落とし穴
メリットが大きい分、注意すべきポイントもはっきりしています。
第一に、レイアウトと什器の制約です。前テナントが設計した空間は、そのテナントの働き方に最適化されています。会議室の数、動線、配線の取り回しが自社の業務に合わなければ、結局は一部を改修することになり、想定したコスト削減効果が目減りします。テイクオフィスでは契約前に提携内装会社と現地を確認し、「このレイアウトに何人入るのか」「どの設備を流用できるのか」を数値で提示してから判断いただいています。ここを省くと、入居後に不具合が表面化します。
第二に、引き継ぐ設備の状態です。空調、照明、OAフロア下の配線、セキュリティ機器は見た目で劣化の判断がつきにくく、数年使っただけでも寿命が近い場合があります。過去には、入居半年後に空調が故障し、交換費用で数百万円が発生した事例がありました。契約書上での「残置物の所有権」と「故障時の修繕責任」の線引きは、入居前に必ず整理しておく必要があります。
第三に、原状回復の範囲です。退去時にどこまで元の状態に戻すのかが曖昧なまま入居すると、数年後の退去時に想定外の費用が発生します。前テナントから引き継いだ内装と、自社で追加した部分の切り分けを契約時点で明文化しておくことで、将来のトラブルを避けられます。
判断の精度を上げるなら、早い段階で仲介会社に相談を
居抜きオフィスは、条件が揃えば数千万円と数か月を節約できる有効な選択肢です。一方で、物件ごとに引き継ぐ内容も契約条件も大きく異なり、判断には不動産と内装の両面からの見立てが欠かせません。
テイクオフィスは20年以上、オフィス移転の仲介に携わってきました。居抜き物件のご紹介では、提携する内装会社と初期段階から連携し、引き継ぐ設備の実査、想定レイアウトの検証、原状回復条件の交渉までをワンストップでご支援しています。仲介手数料はいただいていないため、浮いた費用を内装の最適化や立地のグレードアップに振り向けていただけます。
「居抜きで探すべきか、通常物件のほうが結果的に合うのか」という入り口の判断から、ご一緒に考えさせてください。現状のオフィス課題と予算感を共有いただければ、市場の最新動向と合わせて、御社にとって無理のない進め方をご提案します。100坪を超える大型移転をご検討中の企業様は、お気軽にテイクオフィスまでご相談ください。




